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パウル・マイゼン教授を偲んで

こんにちは。真面目なことしか書かないために更新が数回しか出来ない困ったフルート奏者の佐藤梢です。

 

今日は12月4日にオペラシティのリサイタルホールで行われた

パウル・マイゼン教授の追悼演奏会と大友先生の講座に行ってきたので

その感想を述べながら、自分の音楽感を書いてみたいと思います。

 

まず、この日は大友先生の講座から伺いました☆

レッスンをしばらく受けてはいませんが、

大学時代を思い出す講座でした。

 

文才がない私なので、簡潔に書いてしまうかもしれませんが、

やはり1番大事なのは音の美しさでした。

 

ソノリテ、480の技術練習、クロイツェルを用いて、美しい音作りをする内容でした。

これは大学4年間でずっとやってきたことでした。

 

マイゼン門下や大友門下は音がいいね!とよく言われるのですが、

私自身は学生時代本当に苦労しました。

音よりもパワーや技巧を言われることが多く、

音の質を良く言われるようになったのは、かなり後になってからです。

 

基礎の練習量が明らかに増えて今の楽器を扱えるようになったときからだと思います。

だからと言って私の笛技術は本当にまだまだですが。。。(笑)

 

私自身、目標としている音は、やはり大友先生のような温かく深く丸みがあり芯がある音です。

では、そこに近づくために何が必要か。

 

それはやはりまずは目標とする音を出す人を見つけることです。

これがない方は美しい音を作ることは、そもそも難しいのではないかなと思います。

 

そして、その音を出している方の吹き方をしっかり見ること。

体の使い方。アンブシャー。口の中。体の中。どのようなっているのだろうと、観察することです。

これが言わばレッスンの特権ですね。

でも、演奏会で演奏を間近で聴くことでもこれらの観察は出来ます。ただし、ホールでの演奏を知ってからの方がいいとは思いますが。

 

話はそれますが、以前パユのハチャコンをサントリホールの最前列ど真ん中で聴いたことがあるのですが、(パユのハチャコンのYouTubeに私の口ポカンとしてる横顔が映ってます(笑))

凄かったです。。。体の使い方が。。。あの肺活量は。。。

185センチくらいはあって、かなりの恰幅がないと、あれだけの量は吸えないなと思いました。

女性では力がないから難しいとすら感じました。

それだけ凄かったですし、間近で見れたからこそ吸い方とか体の使い方が観察できたんですよね。

ただ、ホールの響き方がわかりませんけど(笑)大変大変楽しかったです☆

 

とにかく美しい音を作るためには、目標とする音を出す奏者の体の使い方を観察することが大事です。

 

そして、基礎練です。観察をし自分の中で分析をし

美しい音を出すためには口の中は広く、上半身を脱力させる、アンブシャーはもっとこうする。

等々、今の自分に必要なことを分析し、

基礎練でそれらを作ることが大事だと思います。

 

ソノリテや480で共通しているのが音のなめらかさです。

これを神経質にやらないと、中途半端でやっても音は美しくなりません。

音の移り変わりをなめらかに。アルペジオもなめらかに。音形の山の部分を大きくしない。高音も低音も柔らかくなめらかに。等々。

そうこう考えながらやると、私の場合は音の美しさを求める基礎練は2時間かかります。

それプラス、体力をつける基礎練や技巧をつける基礎練を加えると

合計3時間です。そこから曲練習に入ります。

 

基礎練

(内訳)

・音出し5分

・跳躍と倍音10分

・ソノリテ全項目ひとつずつ。25分

・全調ロングトーンをppで。45分

・タファネル 項目6,7,15,16,17 を50分

・480音階と分散和音 15分

コレを音質と音程にこだわってやります。

 

時間配分が2時間半で終えてるときのブログからコピペしてきたんですけど、

いまはこれが3時間かかってます。跳躍とソノリテに時間がかかってます。

なめらかさと美しさを追求したいので(笑)

 

自分の楽器の種類によって基礎練の時間は変わるとは思いますが、

美しい音を追求するには、神経質さと時間は必ず必要だと思った方がいいです。

 

これが、私が学んだことだと思います。

 

そして、夜は演奏会です。

マイゼン門下の方々が一人ひとり演奏をされました。

 

 

 

 


 

 

やはり皆様、音の美しさを大事にされている演奏で素晴らしかったです。

1曲ずつ奏者が代わるので、個性も豊ですし、そうなんだ!と勉強させられることも多いですし、

同世代の奏者も多かったので、そのときのフルートの思い出も浮かんだりして楽しかったです。

 

奏者皆様の素晴らしさを書くと永遠に長くなるので、少しだけ書きます。

 

諸田大輔さんが演奏された「無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番ト短調BWV1001よりアダージョ」

凄く研究し、研鑽を積まれて、本当に見事だ!と感じました。

だからこそ諸田さんのような素晴らしい音楽が出来がるのだなと感じました。

一つ一つの音とフレーズ、すべてが研究されている音楽になってました。

 

そして、圧巻だったのが大友先生でした。講座のときにも同じ曲を少し演奏されたのですが、

やはり演奏会の演奏はすごかったです。

おそらくあの場にいたお客様は皆様同じことを感じたのではないでしょうか。

今まで大友先生が学んできたこと積み重ねてきたこと、すべてが歴史として一つ一つ凝縮した

音と音楽になっていました。

誰よりもフルートに向き合ってフルート人生を歩まれてきた方にしか出来ない音と音楽でした。

あの場で聴けたことが光栄でした。感謝です。

 

私と大友先生って25歳違うんですけど、私があと25年フルートを続けても、この演奏は出来ないなと

感じました。足元に引っかかるぐらいのところには行きたいかなとは思いますけど。

うーん。。。。。(笑)

 

 

 

ちなみにフルートでヴァイオリンの曲を演奏することは、よくあるのですが、

ヴァイオリンの選曲をした場合、やはりフルートの曲ではないので、フルートにはない演奏しずらいポイントが多々あるんですね。

普通にやってると、知らない間にヴァイオリンの奏法や雰囲気をまねた演奏になって音質がくずれたりしてしまいます。

やはり根本的なことを忘れてはいけないと思います。

 

フルートなんです。

 

この日のヴァイオリンの曲はどれも素晴らしいフルートの音色で奏でられました。

ヴァイオリンの曲をどうフルートの美しい音で表現するかを楽しみたいですよね。

 

長々と書きましたが、この日はフルートの音について

有意義に過ごした1日となりました。

これからも美しい音を目指して頑張りましょう☆

 

最後まで読んでくださりありがとうございました☆

 

 

 

 


 

 

年明けに私の演奏会があります。よかったら是非いらしてください☆

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